タイ古典舞踊観光

タイランド、バンコクの古典舞踊ツアー。タイ古典舞踊にはいくつかの種類がある。代表的なものはタイ仏教の大叙事詩「ラーマキエン」を演目とする、コーンと呼ばれる仮面舞踊劇。シアターレストランでは必ずメインの演目として登場する。仮面舞踊とはいえ、女性役、神や王族役の演者は仮面をつけず、つけているのは魔族、猿族、動物だけ。一方豪華できらびやかな衣装を付けて踊るのはコーンと同じだが、手の繊細な動きに重要なポイントをおいた舞踊劇がラコーンだ。タイダンスの優美さをもっとも味わえる踊りと言われる。そのほか、輪になっての踊りやタイ北部の民族舞踊などバラエティに富んでいる。

どのシアターレストランでも演目の内容ほとんど同じ。仮面を付け、足で力強く床をたたくような動作を何回もする演者が登場すれば、それは宮廷舞踏劇のコーン。主役のラーマ王子とシーダー姫は、若くて美形の男性と女性が演じる。これは決まりごとになっているので覚えておこう。ラコーンの場合は、シアターレストランでは2から5人の少人数で踊るパターンが多い。仮面は付けず、チャダーという冠を被って細やかな手元の動きで感情を表現する。演目の途中で急に格闘技風のショーに入るが、これはクラビ・クラボンと呼ばれるタイ伝統の武術。棒や刀を使い、攻撃や防御を行う。ショーではコミカルな動きもみせ、観客をリラックスさせ、次の演目に繋げる役割がある。ショーの後半は、地方で発達した舞踊が中心で、扇を持った踊りなら南部、指の先につめ上の飾りをさした踊りなら北部の舞踊が多い。これらはグループで踊るのが一般的。全体を通して演目は6～7種類、途中英語もしくは日本語の解説がはいり、全体では1時間強程度で終了する。

ラーマキエンとは？タイ古典舞踊の主要な演題は「ラーマキエン」と呼ばれるタイ仏教の叙事詩。この物語は文学、絵画、彫刻など多様な分野に影響を与え、ワット・プラケオの回廊に描かれた178面の壁画が特に有名。ラーマ1世が整理し、訓話もたくさん盛り込まれた、タイ人の生活のバイブル。もとは古代インドのヒンドゥー神話「ラーマーヤナ」にタイ仏教の解釈を加えたもの。苦難の歳に善が悪に勝利を収める物語。主人公は創造神ヴィシュヌーの化身、仏陀でもあるラーマ王子。妻のシーダー姫を悪の魔王トッカサンが奪うところから物語は展開する。ハヌマーン率いる猿の軍団が王子を守り、魔族との戦いが激烈になる。ラーマ王子がトッカサンのひざに乗り、歌舞伎のように大見得を切る場面が最大のハイライト。

引用'タイ、アンコールワット/ブルーガイド'より